ドクターズインタビュー

東京薬科大学名誉教授
薬学博士

大野 尚仁
(おおの なおひと)先生

長年、真菌を中心としたβ‐グルカンの構造と免疫修飾作用を中心に研究を進められたβ‐グルカン研究の第一人者。免疫学の権威。
2018年日本医真菌学会 学会賞受賞
βグルカン協議会会長

免疫機能を活性化する
β-グルカンのおはなし

創薬などの研究から
健康増進の注目成分へ

グルコースのポリマーは自然界にたくさん存在します。よく知られているのは、デンプンやセルロース(紙)。デンプンはα1,4-結合、セルロースはβ1,4-結合を含みます。その他にもβ1,3-, β1,4-, β1,6-結合を含むポリマーが多数存在しています。大麦などの穀物はβ1,3-とβ1,4-結合、キノコや酵母などの真菌はβ1,3-とβ1,6-結合、細菌や藻類にはβ1,3-やβ1,6-結合を含むポリマーが存在します。β-グルカンとは、β結合したグルコースのポリマーの中で、特に機能性の面から注目されているものを指しています。

β-グルカンの研究は1960年代頃から注目されるようになりました。当時は、主にがんの治療法の研究として、キノコや酵母など有効性があるといわれたものが対象でした。私が研究を始めた1980年頃、がんの治療薬としてβ-グルカン製剤が3種類誕生しており、私もがんの免疫療法の研究を行っていました。

ところが時が流れ現代になると、経済発展と医療水準が高まったことも相まって多くの方が長寿になり、健康への意識も変わってきました。例えば、感染症については、化学療法剤(抗生物質)が多数登場し、予防接種も普及してきたので、抗生物質が効かない細菌や病原性真菌による感染症などが注目されるようになってきました。そこで真菌に対する免疫力を高める成分として、β-グルカンの新機能が注目されるようになってきました。

また、健康長寿思考の中で、健康食品(健康の維持・増進)への期待も高まってきました。良質な健康食品が求められています。そのような背景の中、新成分として「やっと今、パラミロンが登場してきた」というのが正直な感想です。研究では非常に興味深い結果が出ていますので、これまでにない可能性を秘めたβ-グルカンとして、ますます期待しているところです。

大妻女子大学家政学部教授
農学博士

青江 誠一郎
(あおえ せいいちろう)先生

日本食物繊維学会理事長、パラミロン研究会副会長などを兼任。食物繊維摂取とメタボリックシンドロームの関係などを専門に研究を続けている。

生活習慣病のリスクを下げる
パラミロンのおはなし

食後に上昇した血糖値を
速やかに下げ、
糖や脂肪の代謝を高める仕組み

食物繊維の研究をしている中でユーグレナと出会い、パラミロンと出会いました。 驚いたのは、パラミロンは腸の中で水を吸って膨らんだり、ねばねばして腸内を掃除するのではなく、腸内発酵するわけでもないのに、血糖値やコレステロールを下げるという事実でした。これはなんだろうと思い肝臓を調べますと、PPARαという脂肪を分解する指令を出す調節物質の遺伝子の数値がものすごく上がっていたのです。こんな働きをするのは、魚油に含まれるDHAやEPAなど限られた成分で、あとは薬になります。食物繊維では見たことがありません。

しかも実験では、マウスの排泄物からパラミロンがそのままの形で出てきたことも確認できました。つまりパラミロンを感知した腸が、肝臓へシグナルを飛ばし、肝臓から全身に指令が送られて、糖や脂肪の代謝を高めたり、悪玉コレステロールを減らしていると考えられるのです。

また、消化吸収されず、下痢などの副作用もなく、他の栄養素の影響を受けにくいのもパラミロンの特長です。そのためお腹の弱い方にも効果が期待できますし、腸の働きや代謝が低下している高齢者の方の腸を元気にすることで体質改善が望めます。腸は全身の神経やホルモン、脳やさまざまな臓器、さらに気分やお肌などにも関係のあることがすでにわかっています。パラミロンの未知なる可能性を解き明かし、毎日の健康や美容、そして生活習慣病の予防に役立てたいですね。

神戸大学大学院科学技術
イノベーション研究科 特命教授
理化学研究所生命機能科学
研究センター
客員主管研究員
大阪公立大学 名誉教授
医学博士

渡辺 恭良
(わたなべ やすよし)先生

日本の社会問題となっている「疲労」。その「疲労」の正体を解き明かし、また「疲労」が起こるメカニズムを科学的に証明することに邁進してきた疲労研究の第一人者。世界の疲労研究をリードし続けている。
日本疲労学会理事長
日本リカバリー協会会長

身体の疲労感を軽減する
パラミロンのおはなし

疲労のメカニズムと
疲労感を軽減する仕組み

私たちのからだは、全身の感覚や体温などを調節する神経系、代謝やホルモンのバランスを調節する内分泌系、そして細菌などの外敵から自らを守る免疫系の三つの系統が互いに均衡を保ちながら健康を維持しています。疲労は、これらの系統の不調により均衡が崩れた現象であると言えます。

もう少し詳しく説明しますと、疲労はオーバーワークなどにより、私たちのからだを構成する細胞が酸化する(錆びつく)ことで引き起こされます。私たちが日常生活を送る上でからだの細胞が活動するわけですが、過剰に活動することで細胞自身では処理しきれない量の活性酸素が発生します。この過剰量の活性酸素が細胞を錆びつかせ傷つけるのです。その傷害を感知した免疫系細胞が神経系・内分泌系などにシグナルを送り、通常であれば修復されますが、このとき不調があると疲労が長引くことになります。

新たな食品素材であるユーグレナEOD-1株がつくるパラミロンには、身体の疲労感を軽減する力があることがわかりました。以前から、パラミロンには免疫系への作用や細胞の錆びつきを抑える効果があることが報告されていました。つまり、パラミロンはからだの均衡を維持し、からだの錆びつきを抑えることで疲労を軽減していると考えられます。

疲労は私たちにとって非常に身近な現象です。蓄積されて長引く前に、日常生活に取り入れやすい食品から抗疲労に取り組むことが大切であると思います。

京都府立医科大学
大学院医学研究科
生体免疫栄養学講座教授
医学博士

内藤 裕二
(ないとう ゆうじ)先生

消化器専門医として診療にあたる一方、消化器病学や消化管機能、腸内環境、腸内細菌に関する数々の研究も手掛ける。抗加齢医学や生活習慣病、老年医学にも精通し、内視鏡のスペシャリストとしても著名。日本の代表的な健康長寿研究「京丹後長寿コホート研究」では腸内フローラ解析にも携わり、農林水産省技術会議委員として農産物の機能性にも精通。
日本ガットフレイル会議理事長

「腸ツボ」へ
物理的刺激を与える
パラミロンのおはなし

自律神経や内分泌物質、
免疫物質へ機能する可能性

パラミロンは食物繊維の一種ですので腸の中で吸収はされません。それどころか腸内細菌の餌にもなりませんし、腸内細菌叢にも影響を与えないこともわかっています。しかし一方で、不安の軽減効果や意欲減退抑制効果、睡眠の質の改善効果などがあることはヒト臨床試験で証明されており、「疲労感の軽減効果」では機能性表示食品としても受理されています。このメカニズムが今まで謎だったのです。

ストレスでお腹が痛くなったり、逆に下痢や便秘などによって気分がふさいで食欲が減退したりといったことを経験した人は少なくないと思います。実は脳と腸は密接に関係していて、これを専門用語で「腸脳相関」といいます。特に腸は消化や吸収の機能だけでなく、様々な化学的・物理的刺激を感受するセンサーとしての役割を担っていることが既にわかっています。

2021年、腸管にあるカプサイシンの受容体「TRPV1」の研究がノーベル医学・生理学賞を受賞しましたが、実は以前からこの「TRPV1」を含めた多種多様の受容体が腸管に存在していることは知られていました。私はこのセンサーの役割を担う受容体を「腸ツボ」と名付けて、そのメカニズムの研究を続けていましたので、パラミロンが「腸ツボ」へ何らかの物理的な刺激を行うことによって自律神経に作用したり、ホルモンなどの内分泌物質や免疫物質を分泌して健康効果を発揮している可能性が高くなってきたと思います。

これからの研究で全容解明を急ぎたいと思いますので、是非期待していてください。